【年齢別】子どもの英語勉強ロードマップ。「まずこれだけ」を専門家が解説
「早い段階できちんとした英語を身につけさせたい」「正しい発音で話せるようにしたい」と、子どもの将来を思うからこそ、つい多くを求めてしまうのが親心です。ただ、英語学習は年齢に合ったタイミングで適した方法を取り入れることが、その後の伸びを左右するポイントになります。
本記事では、子ども英語・留学統括プロデューサーで指導歴15年以上の前田恵里さん監修のもと、未就学児から小学校中学年までの英語学習の進め方をロードマップ形式で整理しました。何から始めればよいのかわかるよう、年齢別に解説していきます。
目次
【結論】年齢別・英語学習の「やることはこれだけ」まとめ表
年齢によって英語学習の進め方は大きく変わります。まずは年齢別に「やるべきこと」と「避けたいこと」を一覧で整理しました。全体像を把握したうえで、今の段階に合った取り組み方を考えていきましょう。
| 学年 | 目的 | やるべきこと | 避けたいこと | おすすめのツール |
|---|---|---|---|---|
| 未就学児 | 英語の「音」や「リズム」を楽しみながら、耳を育てる | YouTubeのかけ流し。親子で英語の歌に合わせて、ダンスをする | 単語の意味を暗記させる。発音を細かく指摘する |
|
| 小1〜2 | 英語への抵抗感をなくし、アルファベットと音の関係を学ぶ。「読めた」という体験を積み重ねる | フォニックスや音が出る教材を取り入れる。音声付き英語絵本の読み聞かせを行う | 単語の意味を確認しながら覚えさせる。スペルを書かせる |
|
| 小3〜4 | インプットからアウトプットへ移行。「通じた、伝わった」という成功体験を自信につなげる | 親子で日常生活に英語を取り入れる。オンライン英会話で、対人で英語を使う機会を持つ | 文法の訂正をしてモチベーションを下げる。すぐにレベルアップを求める |
|
※横にスクロールしてご覧いただけます
【未就学児】「勉強」ではなく「環境」を作る
未就学児の時期は、英語を「勉強」としてではなく、日常のなかで自然に触れられる環境をつくることが大切です。意味を理解させようとするよりも、まずは「音」や「リズム」に親しむことを意識しましょう。
やるべきことは「英語学習前の土壌づくり」
この時期は、英語を「覚える」よりも「慣れる」ことに目を向けましょう。生活のなかに無理なく英語を取り入れることで、自然と耳が育っていきます。「勉強している」という感覚を持たせずに、自然と英語に触れる時間を増やしていくことがポイントになります。
「ちゃんと聞いているのかな」と不安になることもありますが、最初は反応がなくても気にする必要はありません。聞いていないように見えても、繰り返し聞くことで音やリズムは少しずつ蓄積されていきます。ある日突然、歌の一部を口ずさんだり、聞いたフレーズをまねしたりすることも。
結果を急がず、まずは続けることを意識していきましょう。少しずつ英語に慣れる環境を整えていくことが、その後の学びにつながります。
YouTubeでのかけ流し
食事中や遊びの時間に、英語の歌や動画をBGMのように流しておく方法です。20〜30分程度を目安に、日常の一部として取り入れると負担なく続けやすくなります。動画を流していても、子どもが別の遊びに集中していることもありますが、それでも問題ありません。耳に入るだけでも十分な刺激になります。
親子で歌に合わせてダンス
「Head, Shoulders, Knees and Toes」など、体を動かしながら楽しめる英語の歌を取り入れるのも効果的です。意味を理解することよりも、「楽しい」という体験を重ねることを優先しましょう。親子で一緒に楽しむことが、英語に親しむきっかけになります。
避けたいことは「暗記」と「否定」
英語を“勉強”として捉えてしまうと、早い段階で苦手意識につながることがあります。無理に覚えさせるのではなく、英語に触れる時間を「楽しい時間」と感じてもらうことが大切です。
単語の暗記はさせない
「Apple=りんご」のように意味を詰め込む学習は、この時期にはあまり向いていません。まずは「音」として英語に慣れることを優先するほうが、その後の学習につながりやすくなります。「聞いたことがある音」を増やしていくとよいでしょう。
発音の否定をしない
子どもの発音を細かく指摘すると、英語に対して苦手意識を持ってしまうことがあります。多少違っていても否定せず、「伝えようとする姿勢」を大切にしてあげましょう。発音の正しさよりも、「声に出してみること」を大切にすることで、少しずつ慣れていきます。
【小1〜小2】「フォニックス」で読める喜びを感じてもらう
小学校低学年は、英語に対する抵抗感をなくしながら、「音」と「文字」のつながりを少しずつ理解していく時期です。楽しさをベースにしつつ、学びの要素を無理なく取り入れていきましょう。
やるべきことは「フォニックスの感覚を養うこと」
フォニックスとは、アルファベットと音の関係を学ぶ方法のことです。「Aは“ア”の音」といったルールを知ることで、初めて見る単語でも自分で読めるようになる感覚が生まれます。この「読めた」という体験が、英語への自信につながっていきます。
最初はうまく読めなくても、アルファベットと音のルールに少しずつ慣れていくことで、「なんとなく読める」という感覚が育っていきます。
「意味がわかっていないのに大丈夫?」と感じることもあるかもしれませんが、この段階では理解よりも経験を重ねることを優先しましょう。楽しみながら続けることで、あとから自然と理解が追いついていきます。
また、「できた・できない」に敏感になりやすい時期でもあります。家庭で取り組む際も、「毎日やらせる」ことを目標にするのではなく、「できた日を増やす」くらいの気持ちで続けると負担になりにくくなります。
フォニックス動画の活用
「Pinkfong」などのフォニックス動画を活用し、音のルールを耳と目の両方からインプットしていきます。歌やアニメーションを通して学べるため、無理なく続けやすいのが特徴です。最初は意味がわからなくても、繰り返し見ることで少しずつ理解が深まっていきます。
タッチペン付図鑑の導入
音が出る図鑑や教材を使うことで、子どもが自分から英語に触れるきっかけをつくれます。遊び感覚で繰り返し使うなかで、自然と音と文字の関係が身についていきます。「自分で触る→音が出る」という体験が、英語への興味を引き出すきっかけになります。
読み聞かせ
音声付きの英語絵本を活用すれば、親が英語を読めなくても、英語のリズムや音に触れる機会を増やせます。短い時間でもよいので、まずは習慣として続けてみましょう。
避けたいことは「質問」と「筆記」
この時期は、理解を求めすぎるよりも、英語に触れる体験を重ねることを重視したい時期です。無理に答えを求めたり、書かせたりすると、苦手意識につながることがあります。
意味の確認攻めをしない
一つひとつの単語の意味を細かく確認するよりも、ストーリーや音の流れを楽しむことを優先しましょう。「理解する」よりも「慣れる」ことが重要な段階です。「なんとなく楽しい」と感じる時間を大切にしてみてください。
スペルを書かせない
まだ手の発達が十分でないこともあり、書くことを強要すると負担になりやすい時期です。まずは音と文字のつながりを意識できるようになることを目指します。
【小3〜小4】「通じる!」という成功体験を積ませる
小学校中学年は、これまでに触れてきた英語を使いながら、「通じる」体験を重ねていく時期です。インプット中心からアウトプットへと移行し、自信につなげていきましょう。最初は恥ずかしがって話せないこともありますが、それも自然な反応です。無理強いせず、安心できる環境をつくることで、少しずつ発話につながっていきます。
やるべきことは「対人での英会話」
英語を「知っている」だけでなく、「使える」状態にするためには、実際にやり取りをする経験が欠かせません。身近な場面から少しずつ英語を使う機会を増やしていきましょう。
実際に英語を使う経験を重ねることで、「伝わった」という実感が得られます。この成功体験の積み重ねが、英語に対する前向きな気持ちが育っていきます。
特にオンライン英会話では、講師との相性によっても子どもの反応が変わることもあります。最初から完璧な環境を求めるのではなく、無料体験などでいくつか試しながら「話しやすい」と感じる相手をみつけていくとよいでしょう。
親子で日常生活に英語を取り入れる
「Hello!」「I’m hungry.」など、簡単なフレーズを日常のなかで使ってみましょう。実際に使う経験が自信につながります。繰り返し使うことで、自然と口に出せるようになっていきます。
オンライン英会話
子ども向けコースがあるオンライン英会話なら、対人で英語を使う機会をつくれます。アウトプットする場として取り入れることで、理解の定着にもつながります。
たとえば、子ども向けオンライン英会話サービス「クラウティ」では、厳しい採用基準をクリアした講師が在籍し、子どものやる気を引き出しながらレッスンを進めてくれます。学研がテキストを制作しており、学校の授業にもつながりやすい内容で学べるのが特徴です。
英検Jr.の活用
テスト形式の教材を活用することで、達成感を得やすくなります。無理のないレベルから始め、「できた」という実感を積み重ねていきましょう。結果だけでなく、「取り組んだこと」自体を認めてあげることが継続につながります。
避けたいことは「細かい指摘」
この時期は、正確さよりも「伝わる楽しさ」を感じることが大切です。細かいミスを指摘しすぎると、英語を話すこと自体に抵抗を感じてしまうことがあります。
文法の訂正をしない
「文法が違うよ」と細かく修正するよりも、「伝わったね」と成功体験を積ませることを優先しましょう。安心して話せる環境はモチベーションにもつながります。正しさよりも、「伝えようとする姿勢」を大切に見守りましょう。
無理にレベルアップさせない
長文を読ませたり難しい表現を求めたりすると、負担になりやすくなります。子どものペースに合わせて、できていることに目を向けながら、少しずつステップアップしていきましょう。
親は「先生」ではなく「サポーター」の立ち位置を意識
子どもの英語学習において、親がすべてを教えようとする必要はありません。大切なことのは、学ぶ環境を整え、子どもが無理なく続けられるようサポートしてあげることです。
「教える」ことに意識を向けすぎるよりも、「一緒に楽しむ姿勢」を持つことも大切です。英語に触れる時間が親子にとって心地よいものになれば、学習は自然と続いていきます。
英語学習は一度に大きく進めるものではなく、毎日の積み重ねで長いスパンで成長を見守ってあげる必要があります。焦らずに、まずは英語に触れる時間を継続的にとっていくことを大切に取り組んでみてください。
一覧に戻る