子どもの英語発音を身につける方法|家庭でできるフォニックス学習と練習法
子どもの英語学習を進めるなかで、「発音がカタカナっぽい」「今のうちから発音を練習した方がいいの?」と気になる保護者の方もいるでしょう。
英語の発音は、ただ単語を正しく読むためだけのものではありません。英語を聞いたり話したりする力はもちろん、その後の読み書きにも関わる大切な要素です。
この記事では、子どものうちから英語の発音を学ぶメリットや、フォニックスを取り入れた学習方法、家庭でできる練習法についてわかりやすく解説します。
目次
子どものうちから英語の発音を学ぶメリット
子どものうちから英語の発音に触れることのメリットとして次のようなことが挙げられます。
- 正しい英語の音を身につけやすい
- 聞く・話す・読む・書くすべての力につながる
発音学習がその後の英語力にどのようにつながるのかを具体的に見ていきましょう。
正しい英語の音を身につけやすい
子どもは、大人と比べて、新しい音をまねすることへの恥ずかしさや抵抗感が少ない傾向があります。そのため、聞こえてきた英語の音を素直に受け入れ、そのまま再現しようとすることができます。
また、子どもは「舌をこの位置に置く」「唇をこのように動かす」と細かく説明しなくても、お手本となる音を聞いたり口元を見たりしながら、「こうやって音を出すのかな」と感覚的に捉えてまねすることが得意です。大人が思っている以上に、短時間の練習で英語らしい音を出せるようになることもあります。
発音をまねすることへの抵抗感が少ない時期から英語の音に触れておけば、日本語にはない音や英語独特の発音も身につけやすくなります。一度その音を出すときの舌や唇の動かし方を経験しておくと、その感覚が残り、その後の発音学習にも役立ちます。
そのため、子どものうちは「完璧に理解してから発音する」ことよりも、まずは正しい音をたくさん聞き、楽しみながらまねしてみることが大切です。
聞く・話す・読む・書くすべての力につながる
発音学習は、スピーキングのためだけに行うものではありません。
自分で正しく発音できる音が増えると、その音を聞いたときにも認識しやすくなり、リスニング力の向上につながります。また、文字と音の関係がわかるようになると、初めて見る単語を読んだり、聞いた単語のスペルを考えたりするときにも役立ちます。
このように、英語の音を身につけることは、「聞く・話す・読む・書く」という4技能すべての土台になります。
特に子どもの英語学習では、単語を意味だけで覚えるのではなく、文字と音を一緒に結びつけながら学ぶことが重要です。
子どもの英語発音がカタカナっぽくなるのはなぜ?
子どもが英語を話したときに、「少しカタカナっぽく聞こえる」と感じることがあります。では、なぜ英語を学び始めた子どもの発音は、カタカナに近くなりやすいのでしょうか。
ここでは、その主な理由を2つに分けて見ていきましょう。
日本語と英語では音の仕組みが違う
日本語と英語では、音の並び方や作り方にさまざまな違いがあります。
日本語では「子音+母音」のまとまりで発音することが多い一方、英語ではcatのような「子音+母音+子音(CVC)」をはじめ、子音で終わる単語や、子音が連続する単語も多くあります。
そのため、日本語の音の感覚で英語を発音すると、本来はない母音を加えてしまうことがあります。たとえば、英語では子音だけで終わる音でも、日本語では無意識に母音を付け足して発音しやすくなります。
また、英語には日本語にはない音も多く、舌や唇の位置、息の使い方なども異なります。
さらに、英語では強く読む部分と弱く読む部分がはっきりしており、文全体に独特のリズムや抑揚があります。実際の会話では、単語と単語の音がつながったり、一部の音が弱く聞こえたりすることもあります。
このように、英語と日本語では一つひとつの音だけでなく、音の並び方や作り方、リズムにも違いがあります。日本語と同じ感覚で発音しようとすると、英語本来の音とのずれが生まれやすくなります。
ローマ字やカタカナの読み方に引っ張られる
英単語を見たときに、ローマ字やカタカナの読み方を当てはめてしまうことも、カタカナっぽい発音になる原因のひとつです。
たとえば、アルファベットを見て日本語のローマ字と同じように読もうとすると、本来の英語の音とは異なる読み方になってしまうことがあります。また、単語の横にカタカナで読み方を書いて覚えると、そのカタカナの音が先に定着し、正しい英語の音を聞いても修正しにくくなることがあります。
英語の文字には、それぞれ英語特有の音の読み方があります。そのため、文字を日本語の音に置き換えるのではなく、「この文字は英語ではどのような音になるのか」を意識して学ぶことが大切です。
こうした文字と音の関係を学ぶ方法のひとつが、次の章で紹介するフォニックスです。
子どもの英語発音の習得にフォニックスを取り入れよう
子どもの英語学習について調べていると、「フォニックス」という言葉を目にすることも多いのではないでしょうか。
フォニックスは、英語の読み書きや発音を学ぶ方法として広く知られていますが、「アルファベットの音を覚えるもの」というイメージを持っている方も少なくありません。
ここでは、フォニックスでは実際に何を学ぶのか、また英語学習にどのように役立つのかを詳しく見ていきましょう。
フォニックスとは?
フォニックスとは、簡単にいうと、英語の「文字」と「音」の関係を学ぶ方法です。
アルファベットには、「A=エイ」「B=ビー」のような文字の名前とは別に、単語のなかで使われるときの音があります。フォニックスでは、それぞれの文字がどのような音を表すのかを学び、文字を見たときに英語の音へ即座に変換・発声できる力を育みます。
ただし、AからZまでの基本的な音を覚えるだけがフォニックスではありません。学習が進むにつれて、文字の組み合わせによって変わるさまざまな読み方も扱います。
フォニックス学習では、主に次のような順序で文字と音の関係を広げていきます。
- A〜Zそれぞれの基本的な音を覚える
- catなど、1文字ずつの基本的な音をつなげて読む
- sh・chなど、複数の文字でひとつの音を表すルールを覚える
- サイレントEなど、文字の並びによって読み方が変わるルールを覚える
- 長い単語を音のまとまりに分けて読む
さらに、フォニックスの基本的なルールだけでは読み方を判断しにくい単語もあるため、学習のなかではそうした単語にも少しずつ触れていきます。
このように、フォニックスでは単にアルファベット26文字の音を暗記するのではなく、さまざまな文字の並び方と音の関係を段階的に学んでいきます。
基本的なルールをひと通り身につけることで、ローマ字やカタカナの読み方に頼るのではなく、英語の文字を英語の音として捉えるための土台を作ることができます。
フォニックスで身につくこと
フォニックスで身につけたい最も基本的な力は、「この文字や文字の組み合わせは、どのような音になるのか」を判断する力です。
文字と音の関係を知り、正しい音の出し方とあわせて練習することで、次のような力につながります。
- 初めて見る英単語の発音を推測する力
- 聞こえた英単語からスペルを推測する力
- カタカナに頼らず英単語を読む力
- 正しい英語の音を聞き分ける力
- 英単語を正しい音で発音する力
たとえば、初めて見る単語でも、知っている文字と音のルールを使えば、「おそらくこのように読むのではないか」とある程度推測できます。
反対に、知らない単語を耳にしたときにも、音と文字の対応が身についていれば、「この音なら、このようなスペルかもしれない」と考えられるようになります。
この力は、学習する単語が増え、英文を読む機会が増えていくほど大きな助けになります。単語を一つひとつ丸暗記する負担を減らし、新しい単語を自分の力で読んだり覚えたりしやすくなるためです。
また、自分で正しい音を作れるようになることは、スピーキングだけでなくリスニングにも関係します。自分のなかに英語の正しい音のイメージが増えていけば、実際にその音を聞いたときにも認識しやすくなります。
このように、フォニックスは単なる発音練習ではなく、これから英語を「聞く・話す・読む・書く」ための基盤となる力を育てる学習法です。子どものうちから身につけておけば、その後の英語学習をよりスムーズに進めやすくなるでしょう。
フォニックスだけでは身につかないこと
フォニックスは英語学習の大切な土台になりますが、フォニックスだけですべての英語力や発音を身につけられるわけではありません。
特に、単語から文や会話へと単位が大きくなると、フォニックスとは別の要素も必要になります。
フォニックスだけでは、たとえば次のような要素は十分に身につきません。
- 文全体のリズムや抑揚
- 単語と単語がつながったときの音の変化
- 文の中で弱く発音される音
- 話し手の意図を表すイントネーション
- 文法や語彙など、英語そのものを組み立てる知識
フォニックスでは、一つひとつの文字や単語をどのような音で読むのかを学ぶことができます。しかし、実際の英会話では単語がひとつずつ独立して発音されるわけではありません。
単語と単語が続くことで音がつながったり、文の中で一部の音が弱くなったりします。また、同じ英文でも、どこを強く読むか、どのようなイントネーションをつけるかによって伝わるニュアンスが変わることもあります。
こうした「文やフレーズになったときの音」は、実際の英語を聞いたり、まねして発音したりするなかで身につけていく必要があります。
また、フォニックスは文法や語彙、会話表現そのものを学ぶ方法ではありません。そのため、フォニックスを学ぶだけで英語力全体が急激に伸びるというものでもありません。
フォニックスの大きな役割は、文字と音を結びつけ、英語の発音や読み書きの基盤を作ることです。その土台を身につけたうえで、実際の英語を聞く・話す学習へと広げていくことで、より自然な英語の発音や運用力につながっていきます。
子どもが英語の発音を身につける練習方法
子どもの発音学習では、どのような練習を取り入れればよいのでしょうか。
特別な教材を用意しなくても、家庭で取り組める方法はたくさんあります。
ここでは、子どもが英語の音に触れながら、実際に発音する機会を増やすための練習方法を紹介します。
正しい音を聞いて口元を見ながらまねする
発音練習では、まず正しい英語の音を聞き、その音を実際にまねしてみることが大切です。
子どもは、発音の仕組みを細かく言葉で説明しなくても、お手本となる音を聞いたり、話している人の口元を見たりしながら、感覚的に音を再現できることがあります。
保護者の方が一緒に練習するときは、「舌をここに置いて」と細かく指示するだけではなく、実際に口の形を見せながら、一緒に音を出してみましょう。発音動画などを使って、舌や唇の動きを確認するのもおすすめです。
一度にたくさんの音を練習する必要はありません。1日ひとつの音や数個の単語だけでも、正しい音を聞いてまねする経験を繰り返すことが大切です。
フォニックスを使って単語を読む
一つひとつの音を発音できるようになったら、フォニックスを使って実際の単語を読む練習につなげてみましょう。
最初は、cat・dog・sitなど、1文字ずつの基本的な音をつなげて読める単語がおすすめです。それぞれの文字の音を確認してから、音と音を少しずつつなげ、ひとつの単語として発音します。
慣れてきたら、sh・chなどを含む単語や、サイレントEなどのルールを使って読める単語へと少しずつ広げていきましょう。
大切なのは、単語の読み方を先にカタカナで教えるのではなく、子ども自身が「この文字なら、この音かな」と考える機会を作ることです。
フォニックスのルールを実際の単語で繰り返し使うことで、学んだ知識が「知っているルール」から「自分で使える力」へと変わっていきます。
歌や動画を使って楽しく練習する
英語の歌や動画も、子どもの発音練習に活用できます。
歌や動画では、単語一つひとつの発音だけでなく、英語特有のリズムや抑揚、音のつながりを自然に聞くことができます。前章で紹介した、フォニックスだけでは身につけにくい「文やフレーズになったときの音」に触れる方法としてもおすすめです。
ただし、英語の歌や動画を流しているだけでは、発音練習にはなりにくいでしょう。
気に入ったフレーズを一緒に繰り返したり、動画を途中で止めてまねしたりするなど、実際に声を出す時間を作ることが大切です。
子どもが好きな歌やキャラクターの動画であれば、「発音を練習している」と意識しすぎずに取り組めます。正確さだけを求めるのではなく、まずは聞こえた音を楽しくまねすることから始めてみましょう。
オンライン英会話で実際に話す
家庭で発音を練習したら、実際に英語を使って人と話す機会も作ってみましょう。
単語やフレーズを一人で発音できても、実際の会話では、相手の英語を聞きながら自分の言葉を返す必要があります。オンライン英会話なら、自宅にいながら講師の発音を聞き、口元を見ながらまねしたり、覚えた音を実際の会話で使ったりできます。
たとえば、オンライン英会話 クラウティでは、子ども向けのオンライン英会話レッスンを多数用意しています。講師と実際にコミュニケーションを取りながら英語を聞いて話す経験を重ねられるため、家庭で身につけた発音を実践する場としても活用できます。

また、フォニックスを取り入れたレッスンでは、文字と音の関係を確認しながら実際に発音する練習もできます。家庭でのフォニックス学習とオンライン英会話を組み合わせることで、「覚えた音を実際に使う」ところまで学習を広げられるでしょう。
クラウティでは無料体験レッスンも実施しています。お子さまに合うかどうか、まずは実際のレッスンで試してみてください。
クラウティ以外のサービスも含め、フォニックスを学べる子ども向けオンライン英会話を比較したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
子どもの発音学習を続けるためのポイント
発音学習を始めても、なかなか練習が続かなかったり、子どもが途中で飽きてしまったりすることもあるでしょう。
子どもと一緒に発音学習を続けていくためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。
ここでは、家庭で無理なく発音学習を続けるためのポイントを紹介します。
毎日少しずつ取り入れる
子どもの発音学習では、一度に長時間練習するよりも、短い時間でも継続して英語の音に触れることが大切です。
たとえば、1日5分だけフォニックスに取り組む、寝る前に英語の絵本を1冊読む、好きな動画のフレーズを一緒にまねするなど、普段の生活に取り入れやすい方法から始めてみましょう。
子どもは、正しい音を何度も聞いてまねすることで、少しずつその音の出し方を覚えていきます。一度の練習で上手に発音できたとしても、しばらく使わなければ忘れてしまうこともあるため、繰り返し声に出す機会を作ることが大切です。
毎日の学習を負担にしないためにも、「今日はここまで」と短時間で終わらせることを意識しましょう。もう少しやりたいと思えるくらいで終えることが、長く続けるコツです。
間違いを直しすぎない
子どもの発音が正しくないと、ついその場ですべて直したくなるかもしれません。しかし、発音するたびに間違いを指摘されると、子どもが英語を声に出すこと自体を嫌がってしまう可能性があります。
特に子どものうちは、「正しく発音しなければならない」と意識させすぎるよりも、まずは英語の音を聞いて、積極的にまねしようとする姿勢を大切にしましょう。
気になる発音があった場合も、一度にすべてを直す必要はありません。お手本となる音をもう一度聞かせたり、保護者の口元を見せながら一緒に言ってみたりして、少しずつ正しい音に近づけていきましょう。
できていない部分だけを見るのではなく、「さっきより近くなったね」「その音、きれいに言えたね」など、変化したところにも目を向けることで、子どもも発音練習に取り組みやすくなります。
子どもが楽しめる教材やアプリを活用する
発音学習を続けるためには、子ども自身が楽しめる方法を取り入れることも大切です。
フォニックス教材や発音アプリ、英語の歌、動画、絵本など、子ども向けの英語教材にはさまざまなものがあります。ゲーム感覚で音を選んだり、キャラクターと一緒に発音したりできる教材であれば、勉強という感覚を持たずに取り組めることもあります。
教材を選ぶときは、正しい英語の音声を聞けることに加えて、子どもの年齢や英語レベルに合っているかも確認しましょう。難しすぎる教材では、発音以前に内容を理解することに負担がかかってしまいます。
また、アプリや動画は見るだけで終わらせず、聞こえた音を実際に声に出してまねする時間を作るのがおすすめです。
子どもによって、歌が好き、ゲームが好き、先生と話すのが好きなど、楽しめる学習方法は異なります。いくつか試しながら、その子が「またやりたい」と思える方法を見つけていきましょう。
楽しく続けながら英語の音を身につけよう
子どもは、正しい英語の音を繰り返し聞き、実際にまねすることで、大人が思っている以上に早く新しい音を身につけることがあります。
フォニックスを学べば、文字と音の関係を理解しながら、カタカナやローマ字に頼らず英単語を読むための土台を作ることができます。そこに、歌や動画、オンライン英会話などを使った実際の音に触れる練習を組み合わせることで、単語だけでなく英語らしいリズムや抑揚にも学習を広げられます。
ただし、大切なのは短期間で完璧な発音を目指すことではありません。
毎日少しずつ正しい音に触れ、「聞く・まねする・声に出す」という経験を積み重ねながら、子どもが英語を楽しいと思える環境を作っていきましょう。