英語スペルの覚え方は?小・中学生向けの練習法や注意点を解説
英単語を何度書いてもスペルを覚えられない、テストになると正しく書けない、と悩む小・中学生は少なくありません。
英語のスペルが覚えにくい背景には、アルファベットの認識や英語の音、日本語との違いなど、さまざまな要因があります。そのため、ただ書く回数を増やすのではなく、まずはどこでつまずいているのかを知ることが大切です。
この記事では、英語のスペルが覚えにくい理由を整理したうえで、小・中学生向けの覚え方やフォニックスを使った学習法、家庭でできる練習方法を紹介します。
目次
英語のスペルが覚えにくいと感じるのはなぜ?
英語のスペルがなかなか覚えられない場合、単純に練習量が足りないとは限りません。
文字そのものの認識や、文字と音を結びつける力、聞いた単語を音に分ける力など、スペルを書くまでにはいくつかの力が関係しています。
英語のスペルが覚えにくくなる原因としては主に次のようなことが考えられます。
- アルファベットの形が十分に定着していない
- 英語の文字と音の対応を知らない
- 単語をひとつの音として覚えようとしている
- ローマ字読みの影響を受けている
アルファベットの形が十分に定着していないから
英語を学び始めたばかりの子どもの場合、アルファベットの形そのものが十分に定着していないことがあります。
たとえば、大文字と小文字をすぐに対応させられなかったり、bとd、pとqなど形の似た文字を混同したりするケースです。文字を見分けたり思い出したりすることに負荷がかかる状態では、複数の文字からなる単語を正しい順番で覚えることはさらに難しくなります。
日本語でも、小学1年生はひらがなドリルなどを使い、同じ文字を何度も見たり書いたりしながら文字の形を定着させます。英語も同じように、単語を覚える前の土台として、アルファベットの大文字・小文字を認識し、書けるようになることが大切です。
英語の文字と音の対応を知らないから
英語では、それぞれの文字や文字の組み合わせが音と結びついています。この対応を知らないと、単語を見ても「どのように発音すればよいのか」がわかりません。
たとえばcatを見たときに、c・a・tがそれぞれどのような音を表すのかがわからなければ、それらの音をつなげてcatと読むことも難しくなります。このように、文字に対応する音を確認しながら、それぞれの音をつなげて単語として読むことをブレンディングといいます。
文字と音の対応がわからず、ブレンディングができない状態では、初めて見る単語を自分で読むことが難しくなります。その結果、単語の発音とスペルを結びつけられず、文字の並びをそのまま覚えることになりやすいため、スペルの定着にもつながりにくくなります。
単語をひとつの音として覚えようとしているから
英単語を見て発音できていても、必ずしもスペルを書けるとは限りません。
たとえばcatを「キャット」、dogを「ドッグ」というひとつの音のまとまりとして覚えていると、単語を見たときには読めるようになることがあります。しかし、何も見ずにスペルを書こうとすると、「この単語にはどのような音が含まれていて、それぞれをどの文字で表すのか」がわからず、途中でスペルが出てこなくなることがあります。
聞いた単語を構成する音に分けて捉えることをセグメンティングといいます。スペルを書くときには、単語全体の発音を覚えるだけでなく、それを構成する音を意識し、それぞれの音と文字を結びつけることが重要です。
特に、スペルの一部を忘れてしまったとき、単語をひとつのまとまりとしてしか覚えていないと、そこから正しいスペルを組み立て直すことが難しくなります。読めるのに書けない場合は、こうした音の捉え方が影響している可能性があります。
ローマ字読みの影響を受けているから
日本の子どもは、英語とは別にローマ字も学びます。どちらもアルファベットを使うため、英単語を書くときにもローマ字のルールを当てはめてしまうことがあります。
しかし、ローマ字は日本語の音をアルファベットで表すためのもので、英語とは文字と音の結びつき方が異なります。
たとえば、日本語は「子音+母音」のまとまりで音を捉えることが多いため、英語の音もカタカナやローマ字に置き換えて覚えると、本来は存在しない母音を補って捉えてしまうことがあります。また、英語には日本語やローマ字だけでは表しにくい音もあります。
そのため、英語の音をローマ字の感覚だけで再現しようとすると、実際の発音とスペルの対応にずれが生じ、聞いた単語を正しく書きにくくなることがあります。
こうした「文字と音の対応」「音をつなげて読むこと」「単語を音に分けて捉えること」を学ぶ方法のひとつが、次に紹介するフォニックスです。
英語のスペルを覚えるなら、まずフォニックスを学ぼう
英語の文字と音の関係を身につける方法のひとつが、フォニックスです。
フォニックスでは、アルファベットが表す基本的な音から、複数の文字を組み合わせた音、より発展的な読み方のルールまで段階的に学んでいきます。
ここでは、スペル学習につなげるために知っておきたいフォニックスの基本的な流れを4つのSTEPに分けて紹介します。
STEP1|A〜Zの基本的な音を覚える
まずは、A〜Zのアルファベットが単語の中で表す基本的な音を覚えましょう。
アルファベットには、「A=エイ」「B=ビー」のような文字の名前とは別に、単語の中で使われる音があります。
たとえば、catのc、appleのa、dogのdなどに注目し、それぞれの文字と音を結びつけていきます。
文字を見たときに基本的な音を思い浮かべられるようになると、それぞれの音をつなげて単語を読む練習にも進みやすくなります。
STEP2|2文字・3文字で作られる音を覚える
1文字ずつの基本的な音に慣れたら、複数の文字が組み合わさってひとつの音を表すパターンも覚えていきましょう。
たとえば、sh・ch・thなど、2文字でひとつの音を表すものをダイグラフ、ighなど3文字でひとつの音を表すものをトライグラフと呼びます。
英語は必ずしも「1文字=1音」ではありません。こうした文字のまとまりを知ることで、単語を見たときにどのように発音するのかを考えたり、聞こえた音から使われているスペルを予測したりしやすくなります。
STEP3|マジックEなどのフォニックスルールを覚える
基本的な文字と音の対応に慣れてきたら、マジックE(サイレントE)などのフォニックスルールも少しずつ学んでいきましょう。
たとえば、capにeが加わってcapeになると、aの読み方が変わります。同じように、kitとkite、hopとhopeなどにもマジックEのルールが使われています。
フォニックスには、このほかにもさまざまなスペルと発音のパターンがあります。こうしたルールを少しずつ増やしていくことで、単語を丸ごと暗記するのではなく、スペルから発音を予測したり、発音からスペルを考えたりできるようになります。
一度にすべてのルールを覚えようとせず、基本的なものから段階的に身につけていきましょう。
STEP4|ルールに当てはまらない単語を個別に覚える
フォニックスを学んでも、すべての英単語をルールだけで正確に読んだり書いたりできるわけではありません。
英語には、基本的なフォニックスルールだけでは読み方やスペルを予測しにくい単語もあります。そのような単語は、ルールで考えられる部分を確認したうえで、それ以外の部分を個別に覚えていきましょう。
大切なのは、すべての単語を最初から丸暗記するのではなく、「知っているルールで考えられる部分」と「個別に覚える部分」を分けることです。
フォニックスを土台にすることで、新しく出会う単語のスペルも整理して覚えやすくなります。
フォニックスを家庭学習だけで進めることが難しい場合は、レッスンを活用する方法もあります。子ども向けのサービスを検討したい方は、「【キッズ向け】フォニックスを学ぶのにおすすめのオンライン英会話!サービス選びの基準も解説」も参考にしてみてください。
小・中学生向け|英語のスペルを覚える方法
フォニックスで文字と音の関係を理解したら、実際に英単語を覚える練習に進みましょう。
スペルだけを目で見て暗記するのではなく、発音と結びつけながら繰り返し書き、最後は何も見ずに書けるか確認することがポイントです。
正しい発音を聞いて声に出す
新しい英単語を覚えるときは、まず正しい発音を聞き、自分でも声に出してみましょう。
発音を間違ったまま覚えてしまうと、音とスペルの対応もつかみにくくなります。教科書の音声や辞書の音声などを活用し、正しい音を確認してからスペル学習を始めるのがおすすめです。
発音しながらスペルを書く
スペルを書くときは、ただ見本を書き写すのではなく、単語を発音しながら書いてみましょう。
音と文字を同時に確認することで、「この音はこの文字や文字の組み合わせで表されている」と結びつけやすくなります。
特に英単語を書くことに慣れていない小学生や中学生は、実際にノートへ何度か書く練習も大切です。正しく書けた単語も繰り返し練習しながら、間違えやすい部分はより重点的に確認しましょう。
同じスペルパターンの単語をまとめて覚える
似たスペルを持つ単語は、まとめて覚えるのもおすすめです。
たとえば、light・night・rightのように共通するスペルを持つ単語を一緒に見ると、「この文字の並びはこのような音になりやすい」というパターンに気づきやすくなります。
単語をひとつずつ独立して丸暗記するよりも、すでに知っている単語との共通点を探すことで、新しいスペルを覚える手がかりを増やせます。
見ずに書いて覚えられたか確認する
何度か練習したら、最後は見本を隠してスペルを書いてみましょう。
見ながら正しく書けても、何も見ずに書けるとは限りません。実際に思い出して書くことで、どこまで覚えられているか、どの部分を忘れやすいかを確認できます。
間違えた場合は答えを確認し、もう一度発音しながら書いてから、再び見ずに書いてみましょう。
ゲーム感覚でできる!英語のスペル練習
スペルの練習は、ノートに何度も書くだけでなく、ゲーム感覚で取り入れるのもおすすめです。
ここでは、家庭ですぐにできる4つの練習を紹介します。
抜けているアルファベットを当てる
英単語の一部を隠して、抜けているアルファベットを当ててみましょう。
たとえば、
cat → c _ t
ship → s _ ip
train → tr _ in
のように問題を作ります。
小学生のお子様であれば、保護者の方が問題を作ってあげるところから始めてみましょう。慣れてきたら、親子で交代しながら問題を出し合うのもおすすめです。
ホワイトボードを使えば、書いてすぐに消せるため、テンポよく何問も挑戦できます。中学生も、家族とクイズ形式で取り組むと、普段の単語練習とは少し違った感覚で楽しめるでしょう。
お絵描きクイズで単語を当ててスペルする
絵や写真を見て英単語を当て、そのスペルを書いてみましょう。
たとえば、りんごの絵や写真を見せて、
「apple!」
と答えたら、次に何も見ずにappleと紙に書きます。
親子で交代しながら絵を描いてもよいですし、身近なものの写真やイラストを使っても構いません。
「絵を見る→英単語を思い出す→スペルを書く」という流れで、単語の意味とスペルを結びつけながら練習できます。
英単語クロスワードに挑戦する
英単語をある程度覚えてきたら、クロスワードにも挑戦してみましょう。特に、語彙が増えてきた中学生におすすめです。
最初は、「犬」「図書館」など日本語のヒントから英単語を考える簡単なものでも構いません。
英語力が上がってきたら、
「A place where you can borrow books.」
のように、簡単な英語で書かれたヒントから答えを考えるクロスワードにも挑戦できます。
英語のクロスワードは、検索すると国内外のさまざまなサイトや教材で見つけられます。子どもの語彙レベルに合うものを探して、ゲーム感覚で取り入れてみましょう。
実在しない単語を作ってフォニックスで読んでみる
フォニックスに慣れてきたら、実際には存在しない「無意味語」を作って読んでみるのもおすすめです。
たとえば、
shrame
plinotch
throobake
splimorate
など、好きなアルファベットを組み合わせて、自由に謎の単語を作ってみましょう。
無意味語を使った練習は、実際の教育現場でも取り入れられることがあります。知っている単語を記憶だけで読むのではなく、文字を見て音に変換する力が身についているかを確認する方法のひとつです。
短い単語をたくさん作ってもいいですし、あえて「こんなの読めるの?」というくらい長い単語を作るのも楽しいでしょう。
親子で交互に謎の単語を作り、「これはどう読む?」と出題し合うのもおすすめです。正解のある単語暗記とは少し違うので、遊びながらフォニックスのルールを使う練習ができます。
小・中学生が英語のスペルを覚えるときの注意点
英語のスペルは、一見すると簡単そうに見えても、子どもにとっては複数の力を同時に使う学習です。
アルファベットの形を覚えるだけでなく、英語の音を聞き分け、文字と音を結びつけ、正しい順番で思い出す必要があります。また、日本語と英語では文字や音の仕組みも大きく異なります。
そのため、なかなか覚えられないときは、練習量だけを増やすのではなく、どこでつまずいているのかを確認しながら進めることが大切です。
アルファベットが定着していない場合は単語学習を急がない
アルファベットの大文字・小文字をすぐに認識できなかったり、形の似た文字を混同したりする場合は、単語学習を急ぐ必要はありません。
日本語でも、小学1年生はひらがなを何度も見たり書いたりしながら、少しずつ文字を身につけていきます。英語でも同じように、まずはアルファベットそのものに十分慣れる時間が必要です。
一度基礎に戻ることは遠回りではありません。文字を正しく認識し、書けるようになることが、その後のスペル学習の土台になります。
ローマ字読みやカタカナの音だけで覚えない
英単語をローマ字読みやカタカナの音だけで覚えると、実際の英語の発音とずれてしまうことがあります。
特に日本語では母音を伴って発音することが多いため、本来の英語にはない母音を加えて覚えてしまい、そのままスペルミスにつながることもあります。
新しい単語は、まず正しい発音を聞き、音とスペルを一緒に確認しましょう。
ただ何度も書くだけの練習にしない
スペルを覚えるために、実際に何度か書く練習は必要です。
ただし、見本をそのまま何十回も写すだけでは、「見れば書ける」状態のままになってしまうことがあります。
発音しながら書いたり、途中で見本を隠したりして、自分の力でスペルを思い出す練習も取り入れましょう。
最初からすべて正しく書くことを求めない
英語を学び始めた段階で、スペルを間違えることは珍しくありません。
間違えたときは、正解だけを見るのではなく、「どこまでは書けたのか」「どの音と文字の対応で迷ったのか」を確認してみましょう。
間違いから、今どこまで理解できているのかが見えることもあります。すぐに完璧なスペルを求めるのではなく、少しずつ正確に書ける単語を増やしていくことが大切です。
英語のスペルの覚え方に関するよくある質問
英語のスペル学習についてよくある質問に回答します。
小学生と中学生ではスペルの覚え方は違いますか?
基本的な覚え方は大きく変わりませんが、重点を置くポイントは異なります。
小学生は、まずアルファベットの形や文字と音の対応を身につけ、フォニックスを使いながら読んだり書いたりする練習がおすすめです。
中学生は、正しい発音とスペルを結びつけながら、教科書や定期テスト、英検などで必要な単語を実際に書いて覚える練習も増やしていきましょう。
英単語は何回書けば覚えられますか?
「何回書けば必ず覚えられる」という決まった回数はありません。
何度か書く練習は必要ですが、回数だけを目標にするのではなく、発音しながら書き、最後は見本を隠して正しく書けるか確認することが大切です。
覚えにくい単語は、時間を空けてもう一度書けるか確認してみましょう。
フォニックスを知らなくてもスペルは覚えられますか?
フォニックスを知らなくても、英単語のスペルを覚えることはできます。
ただし、文字の並びをひとつずつ丸暗記することになりやすいため、覚える単語が増えるほど負担も大きくなります。
フォニックスで文字と音の関係を理解しておくと、発音からスペルを考える手がかりを持てるため、より効率よく覚えやすくなります。
スペルを覚えられないときはどうすればよいですか?
まずは、「何が難しいのか」を確認してみましょう。
アルファベットの形を覚えることが難しいのか、単語を正しく発音できないのか、読めても書けないのかによって、必要な練習は異なります。
苦手な単語をただ繰り返し書かせるのではなく、つまずいている部分まで戻って練習することが、結果的にスペル習得への近道になります。
音と文字のルールを理解してスペルを覚えよう
英語のスペルを覚えるには、アルファベットの並びを丸暗記するだけでなく、文字と音の関係を理解することが大切です。
まずはアルファベットそのものに慣れ、フォニックスを使って英語の音と文字を少しずつ結びつけていきましょう。そのうえで、正しい発音を聞きながら書き、見ずに書けるか確認することで、スペルは定着しやすくなります。
英語の読み書きは、すぐに身につくものではありません。ゲームなども取り入れながら、子どものペースに合わせて少しずつ「読める・書ける」単語を増やしていきましょう。
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